03 高速投影による運動物体の残像色制御手法
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03 高速投影による運動物体の残像色制御手法
幸谷 有紗(東京科学大学), 宮藤 詩緒(東京科学大学), 小池 英樹(東京科学大学)
本研究では,高速プロジェクタを用いて運動物体の残像の色を制御する手法を提案されている.既存手法との比較や人間の被験者に対する評価実験が不足している点など懸念はあるものの,アイディア自体が興味深く,WISSでの活発な議論が期待されることから採録と判定された.
本研究では,高速投影技術と残像効果を利用し,観測者視野内における物体の運動に応じた残像の目的色提示を実現する新たな手法を提案する.継時加法混色による投影中に投影フレームを遮る物体が動くと,物体の残像に意図しない色が視認される.本研究では,運動時の残像に目的の色を提示するため,目的色で構成された複数フレームとその補色で構成された単一フレームを生成し,両者を高速に投影する.提案手法はトラッキング装置を必要とせず,残像の色彩を自在に制御することで,より豊かな視覚体験を提供する.検証により,本手法が静止時の知覚に影響を与えることなく運動時の残像に目的色を提示できることが示された.本手法は,歩きスマホの抑制や,キャラクターとのインタラクション,カメラ撮影時の映像変化を利用した新しいインタラクションが期待される.
論文:
参加者メモ・コメント:
高速プロジェクタ大好きマンです鈴木一平 (BONSAI STUDIO).icon 持てるものだけができる研究 :-) koike.icon
山本研のバイバイ信号思い出す鈴木一平 (BONSAI STUDIO).icon 長谷川晶一先生が近い研究やっていましたよdrinami.icon
時崎 崇, 須佐 育弥, 椎名 美奈, 加藤 史洋, 青木 孝文, 三武 裕玄, 長谷川 晶一 : 輝度が近い異色相の像の継時加法混色による背景同化と瞬目による残像知覚による表現手法の提案, エンタテイメントコンピューティング2007 講演 論文集, pp.61, 2007.
瞬目時の映像知覚が目的でしたが、ジャンプしたり指を振ると映像が見えるというインタラクションもやっていました(確かIVRCが元ネタだったはず)
→ありがとうございます存じております!本研究では表示できる色,表示のための色(+速度)の割合を研究していますShioMiyafuji.icon
説明の図とアニメーションわかりやすい鈴木一平 (BONSAI STUDIO).icon
動かす物体の色によって、残像色の見え方は変わるのだろうか。
動かすスピードで画像の濃さが変わる?Masa Ohta.icon
動かすスピードがある程度早いほど色ははっきりと見えます!あとは、手の指のように、残像を形成する像(指)が沢山あると、はっきりと見える傾向があるように思います。
1000 fps...!?Tatsuya NAGASAWA.icon
振ったサンプルの映像は60fpsで撮影しているんですかねTatsuya NAGASAWA.icon
60fpsで撮影していますShioMiyafuji.icon
物体をどれぐらい早く動かしたら見えるんだろう…FUJIYOSHI Satoko.icon
高速プロジェクタ高そう、、とはいえ60fpsとかでは全然ダメなんでしょうね・・・
400fpsぐらいないと辛いかもkoike.icon
CFF周波数の間にどれくらいの自由度が持てるかMasa Ohta.icon
DynaFlashKenta Yamamoto | BONSAI STUDIO.icon
TexasInstrumentsの製品なんですね(知らなかった)
高そうですが、どれくらいなんでしょう・・・伊藤正彦.icon
棒を振って見える映像はそこまでカラーが豊富ではない?
会場のプロジェクタの性能が低いせいもありますねkoike.icon
映像の光量が多いほど、はっきりと色が見える傾向があると実感しています。(幸谷)
「では、会場のこのプロジェクタの前で巨大な物体を振ってみたいと思います」鈴木一平 (BONSAI STUDIO).icon
データの可視化でも手を振ってわざとコマ送りにしたほうがわかりやすい場合とかありそう伊藤貴之(お茶大).icon
効果線の提示は夢があるな三上浩司(mkmtut).icon
LEDバーだと持ってる人しかできないけど、本手法はたくさんの人が同時にできそう鈴木一平 (BONSAI STUDIO).icon
物体の運動速度>目の残像速度となると、利用者の制約がかかりそうですね。(ご老人ではものを速く動かせないケースも... AkitomoSato.icon
注意しないとABCのAが見えにくいのはなぜかしら?棒の角速度に関係あるのかしら?Untitled.icon
棒の移動速度だけでいえば、Aの方が速そうな気がします(棒が曲がらなければ角速度は同じ?)
目的色フレームと補色フレームの色の組み合わせによって残像の見えやすさが変わるとしたら最適化などで見せたい残像が明瞭に見えるような手法があったら面白いと感じました(目的色の色などから補色フレームの色構成などはheursticに求められたりするのでしょうか)
カメラで体験を撮影したときも,目視で見た時と似たような体験になるのかなakira.icon
できない場合も,逆にリアル体験の価値が上がるのかakira.icon
カメラより目視の時の方が観察しやすいですShioMiyafuji.icon
質疑応答
許される動きの速さの範囲はどのくらい? narumi.icon
投影対象の大きさや観測地点からの距離によりますが,10cm/s以上の速さであれば見えます.
「人の往来への残像提示」あたりのアプリケーションに関して、人の移動速度くらいの速さに残像提示できるのかどうか気になります...Masa Ohta.icon
近くを歩く人の動きくらいでも見えるなら、街頭ディスプレイみたいな使い方としてユニクロとかが採用してくれたらいいなあと思う narumi.icon
像として認識するためにはなにもなかった時でも"残像"が見える必要がありそう..? ダッシュで走ってたら見えますかね...?Masa Ohta.icon
顔を左右に振ると見えます👀(幸谷)
塚田先生への回答:
LEDは振る物体にLEDを仕込む必要があるけど、これは振る物体には何も仕込みが必要ありません。koike.icon
この手の高速点滅を利用して映像仕込むやつ、サッケードが生じたときにチラチラと像が見えちゃうことがよくありますが、この手法の場合はどうですか?kentarofukuchi.icon
うちでも240Hzプロジェクタでいろいろ仕込んで遊んでたときにやっぱりこれが気になっちゃって…
この研究でも、サッケードの瞬間に、埋め込まれている像が見えることがあります👀
安定して表示させるためには、等速で上下に移動する棒みたいなのが必要な感じですか?
等速である必要よりも、素早く何度も往復する方が重要であると思います。(幸谷)
安定した提示としては、細かいパーティクルの落下によって全体像を提示することができます。(幸谷)
ありがとうございます!霧?とか噴射してなにか表示するオシャレなオブジェクトとか作れそうですね。
お待たせしました、パーティクルを用いた場合の見え方です!(幸谷)
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ありがとうございます!🙇